今回はこのブログの練習方法について説明する。テキストにしてるのは、「初めての人物画教室」。この本は、フェイマス・アーチスト・スクールの教育メソッドに基づいて執筆された絵画技法入門書で、著者のW・リード氏も同校で教えている。ただ、古い本で、Amazonには新品の在庫がない。Kindle版は買えるようだが、おそらく洋書だろう。それなので、あえてこの本を勧めるつもりはないが。
この手の技法書だと、ルーミスの「やさしい人物画」が定番らしい。ググれば原書(英語)の著作権切れた書籍のPDFが見つかるので、とりあえずそれを読んでから判断すればいいかと。前にPDFの図版をざっと見てみたが、結構難しそうだと思ったので、もしかしたらとっつきにくいかも。
最終目的が二次絵なら、それ用に書かれた入門書にした方がいいかもね。一般的な人物画の描き方本は、当たり前だが実際の人間を描くために書かれているので。リアル調の画風を目指してるなら問題ないけど。そうでないなら、デフォルトの等身が高めだったり、顔の書き方とかを二次元に変換する応用力が余分に必要になるので。
初めての人物画教室
ここで、「初めての人物画教室」についてちょっと紹介してみる。本書は下記4章で構成されてる。
- 第1章 基本フォルムの人物画
- 第2章 解剖学と人物画
- 第3章 頭部と手
- 第4章 動きのある人物
第1章では、人物を三次元で捉える事。人体の各部分を正しいプロポーションで描く事について書いてある。おそらくどの人物画入門書でも、やり方に違いはあっても内容的には同じような事が書いてると思うけど。
この本では、人物を三次元で捉えるために、体のパーツを簡単な立方体に描く方法をとっている。具体的には、胴体と腕と足は二つのコップ。手足は板とかの組み合わせ。頭はシンプルに卵。そうやって単純化したコップとかの立方体の中に、人体の各フォルムを描いていく。文章で説明するより、本書の18~19ページを見てもらえば一発で分かると思う。
続いて、正しいプロポーションについて。人体には平均的なプロポーションがあって、極端にどこかが大きかったり小さかったりすることはない。まずは基本となるプロポーション(8等身)を描けるようにすれば、等身が違う人物を描くにも応用できる。
その為には、頭の大きさを基本にして、他の体の大きさを決める方法をとっている。例えば、成人男性の胴は、高さ・幅とも頭2個分。肩幅だと頭3個分。そうやって、体の一部分が不自然な大きさにならないようにする。
そんな訳でこの章では、顔とか筋肉といった細部の描写は無視してる。まずは、人体を立体的なフォルムで捉え、正しいプロポーションで描くという基本について学ぶようになってる。
練習方法
実際の練習方法は「初めての人物画教室」の技法を参考にして、お手本となる絵の模写をしている。現時点では、どんなポーズをとってるかを三次元的に分析して、再現するようにしてるつもり。それなので、お手本に似ているかは、ある程度捨てている。
その割には、今までの練習絵ではこの本の成果が出てないように見えるが。これにはちゃんとした理由がある。7ページにの「はじめに」に書いてある本文を引用する。
第1章でとりあげることがらはたいへん重要で、読むだけでは不十分です。実際に徹底的に覚えこむことが欠かせません。そうするためのもっとも効果的な方法はごく単純で、何十ものデッサンを描いてみることです。練習デッサンのほとんどは、2~3分あればできます。手と頭を使って個々のフォルムのプロポーション、構造、関係をとらえる訓練をすることで、決して忘れなくなるのです。
頭で分かっていても、描かなきゃ覚えられないんだよね。だから、今になってまた1から始めてる訳だ。ちなみに、2章以降は読んだけど、練習にはまだ役立てられない。先は長いね。